旅に出たイーパパが、これまでに唯一よこした“便り”。いにしえの「歯科（鹿）の都“ならけん”」で手なずけたという小さな鹿です。イーハくんとイーハハへのメッセージを持って、ひとりで二人のところへやって来ました。幼いイーハくんと一緒に育ってきた兄弟のような存在であり、一番の親友でもあります。イーハくんを背中に乗せて走るのが大好き。 でも、ときにはケンカすることもあるようです。

イーハくんのとなりに生えていた左下顎第二大臼歯。イーハくんの誕生（萌芽）とともに生活が圧迫され始めるも、彼が抜かれるのを拒絶。 自分が代わりに抜かれることを選びます。しかし、抜歯手術の失敗により、身代わりになったはずがイーハくんもろとも抜かれることになって しまいます。直後、その原因が無免許歯科医による技術不足であることが判明し絶望。「二度とこんな悲劇が起こってはいけない」と思い、 良い歯医者さんだけが集まる歯科の街「歯科タウン」をつくろうと決意します。そして、家族には何も言わずに、旅に出てしまったのです……。

左上顎第二大臼歯。長い間、左“下顎”第二大臼歯であるイーパパと良い咬み合わせ関係を築いていたものの、不慮の事故により抜け落ちて しまいます。右歯根に大きな傷を残してしまいますが、その後もイーパパのことを外から見守り続けていました。イーパパが旅に出て以来、 イーハくんを女手ひとつで育て上げた肝っ玉母ちゃん。イーハくんが父のあとを追って旅に出ることを良く思っていません。 でも、心のどこかではで「やっぱりあの人の息子なのね……」とも思っているようです。

ある日、どこからともなく歯科タウンに現れた「歯な女の子」。ほとんどの記憶を失っていたものの、なぜか名前だけは覚えていました。 形状から、上顎右第二大臼歯だと推測されています。最初に声をかけたことが縁となり、以来イーハくんの家に住むことに……。 今では、家族のような存在になりつつある一方、イーハくんは密かに想いを寄せているみたい。とっても男まさりな性格で、 常にイーハくんをリードしています。でも、ときには女の子らしい一面を見せることも。虫が大の苦手。

体中が虫歯菌に冒されている悪の手先。近づく者に菌を伝染させてしまう悪の力を持っているようです。歯医者さんがたくさんいて住みづらい「歯科タウン」に、なんとか虫歯菌・歯周病菌をまん延させたいともくろんでいます。なぜか、イーハくんとイーハハの存在を知っているみたい……。