よく聞く歯科用語~は行~

「は」

バイオフィルム

細菌の集まり。その中にある複数の細菌が複合体を形成し、固体に付着したものの総称である。

バイオフィルムは自然界のいたるところで見ることができる。歯科医療において、口腔内のバイオフィルムの中で代表的なものはプラーク(歯垢)である。

ハイドロキシアパタイト

歯や骨を構成している成分の1つ。歯の主な構成成分であるカルシウムとリンからなる結晶体のことである。ハイドロキシアパタイトが安定して大きいほど、虫歯などに対して抵抗性が強いことになる。

ハイドロキシアパタイトは歯と同様の硬さであるため、ハイドロキシアパタイトが含まれている歯磨き粉は歯の表面をキズつける危険性が低いといえる。

ハイブリッドセラミック

セラミックにレジン(プラスチック)を配合させた歯科素材のことである。天然歯と同程度の強度があり、主に奥歯のインレー(詰めもの)に使用される。

歯ぎしり

「ギリギリ」「ギシギシ」と歯と歯で音を立てる癖のことをいう。主に睡眠時に起こる。

上下の歯と歯を強く擦り合わせてギシギシ擦ることを「グライディング」といい、一般的に歯ぎしりといわれるのはこのタイプである。そのほかに、歯をグッとくいしばる「クレンチング」と、カチカチと音を立て続ける「タッピング」がある。

「ひ」

表面麻酔

局所麻酔の一種。注射などの痛みをともなう治療を行うにあたり、麻酔薬を患部の表面に塗ったり、スプレーしたりして行う。表面がじんわりと麻痺するため、注射による麻酔時のチクリとした痛みを和らげることができる。

「ふ」

フィクスチャー

インプラントの人工歯根部分のこと。インプラント治療において、歯が抜けたところに埋め込むもので、ネジのような形状をしている。フィクスチャーにはアゴの骨の組織としっかり結合するチタンが使用されている。

不正咬合

乱れた歯並びや正しくない噛み合わせだけではなく、上下それぞれの歯が異なった場所で噛み合うことにより、その役割が機能しない状態である。不正咬合には主に、上顎前突(出っ歯)・下顎前突(受け口)・開咬・過蓋咬合・叢生などがある。

プラークコントロール

プラーク(歯垢)を溜めないようにケアすることや、溜まっているプラークを取り除くことをいう。

プラークは放っておくと強固に歯に付着して「歯石」になってしまう。歯石は簡単に歯ブラシで取り除けないため、毎日のホームケアと歯科医院での定期検診が重要になってくる。

ブラケット

矯正治療を行うときにワイヤーを通すために歯に取り付ける装置である。ブラケット周囲にはプラークが溜まりやすいため、矯正期間中は虫歯ができないように念入りにプラークコントロールを行う必要がある。

ブラケットには金属のメタルブラケット以外に、セラミック製の白色のセラミックブラケットや、プラスチック製で透明なクリアブラケットなどがある。

ブリッジ

失った歯を補う治療法の1つ。歯を失った部分の両脇の歯をひと回り削り、欠損部分を含めてはめ込むワンピースの固定式補綴物のことを指す。

金属やセラミックなど、選択する材質によって適合や審美性は大きく異なる。両側の健康な歯に負担をかけてしまう点がデメリットである。

「ほ」

訪問歯科診療

身体が不自由で歯科医院へ通院するのが困難な方や、介護を受けている寝たきりの方などを対象に、歯科医師や歯科衛生士が、患者の自宅や介護福祉施設などへ訪問し、歯科診療や口腔ケア、入れ歯の作製・調整などを行うこと。

保険診療

文字通り保険の適用を受けられる診療のこと。

歯科の診療は保険診療と自費診療に分かれる。保険診療は必要最小限の治療となるため、インレー(詰めもの)やクラウン(被せもの)などに使われる素材がある程度限定される。

ホワイトニング

歯を削らずに歯を白くする施術のこと。歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」と、自宅でマウスピース(マウストレー)を使って行う「ホームホワイトニング」、またこれら2つを併用する「デュアルホワイトニング」がある。