よく聞く歯科用語~か行~

「か」

顎関節症

歯並びの悪さや過度のストレスなどが原因となって起こるアゴの関節症のこと。アゴが開閉しなくなったり開閉するときに痛みが出たり、関節部分で音が鳴ったりと、さまざまな症状が出る。治療法としては、専用のマウスピースなどを使用する方法が挙げられる。

カリエスリスク

「カリエス(Caries)」とは虫歯のことを指し、カルテなどでは「C」と表される。カリエスリスクとは虫歯になる危険性のこと。このリスクには個人差があり、口腔内の状況や普段のケア、虫歯菌の数などによって判定することができる。

「き」

キシリトール

多くの果実や野菜に含まれている天然の糖アルコールの一種。砂糖同様に甘いものの、砂糖とは異なり歯を溶かす酸を発生させないため虫歯を引き起こすことがないといわれている。さらにキシリトールにはだ液の分泌を促進する効果があり、唾液による歯の再石灰化が虫歯予防につながるとも考えられている。

矯正歯科

「歯列矯正」を行う歯科の診療科目のこと。見た目がきれいになることはもちろん、噛み合わせや顔の形、発音などを改善できる。治療は特殊な矯正装置を装着して、ゆっくりと歯を移動させる。治療期間には個人差があるものの1~3年ほどかかるのが一般的。

金属アレルギー

金属を直接身につけることで発症するアレルギーのこと。従来の歯科治療においては主に金属素材が用いられてきたが、歯科金属によるアレルギー反応が確認されるようになったため問題視されている。

治療直後には異常がなくても、長期間使用することで金属が溶け、それが原因でアレルギーを起こすこともある。現在ではアレルギーの原因となる金属を避けて治療を行うことが増えている。

「く」

クラウン

虫歯治療で歯を大幅に削った際に使用する、歯を全体的に覆う「被せもの」のこと。

削る部分が少ない場合はインレー(詰めもの)で対応するが、範囲が大きい場合はクラウンによって全体を覆う処置を行う。基本的には金属が用いられているが、レジン(プラスチック)やセラミックが用いられることもある。

保険診療で使用できる素材は金属とレジンのみで、自費診療では使用する素材によって治療費が大きく異なる。

クラスプ

部分入れ歯に使用される固定用の器具のこと。入れ歯を固定するために、口腔内に残っている健康な歯に取り付けて安定させる。

素材として使用されるのは基本的に金属のワイヤーだが、取り付けることで目立ってしまい、審美性は下がる。自費診療の部分入れ歯では、クラスプを使用しないものを選択することもできる。

「け」

血餅(けっぺい)

抜歯後などに、治療箇所に血液が溜まってゼリー状になったものを指す。これによって痛みが抑えられ回復が促進されるため、血餅は不可欠なものだといえる。

血餅が流れてなくなった場合などは、傷口や骨などの再生に必要な細胞が生存できなくなるため、キズが治りにくくなってしまう。

犬歯(けんし)

上アゴ、下アゴの中心から3番目の歯のことを指し、「糸切り歯」とも呼ばれる。上下合わせて4本あり、肉食獣はこの歯が発達して牙になっている。

人間の犬歯も他の歯に比べて尖っていることが特徴。また、歯の中で特に深く丈夫な歯根を持っている。

「こ」

口腔外科

正式には「歯科口腔外科」といい、外科治療から内科的な処置、ストレス障害への対処など、対応範囲が広い診療科目。

基本的に虫歯や歯周病以外の口腔内の外科処置や疾病の治療が行われる。骨折や腫瘍などの治療も口腔外科で行われており、口腔内の疾病にはほぼすべて対応しているといえる。

口臭

口から発生する臭い。生理的なものと、病気が原因となっているものの2種類に分かれる。生理的な口臭は誰にでも多少あるが、病気によるものは虫歯や歯周病が原因であることが多い。

虫歯や歯周病になると、口腔内の細菌の数が増え、それにともなって口臭も悪化してしまう。それを防ぐためには毎日のケアと歯科医院での治療が必須となる。特に歯周病によって口臭が悪化することが多いため、口臭が気になったら痛みなどがなくても検診を受けることが大切。

根管治療

虫歯が進行して歯髄が死んでしまった場合に、歯を残すために行う治療のこと。死んでしまった歯髄や細菌に感染した象牙質などを除去し、根管内部を清掃・消毒して穴をふさぐ治療を総称して「根管治療」と呼ぶ。

神経を除去すれば虫歯によるひどい痛みは改善できるが、その後の処置によっては細菌が骨にまで進行してしまう危険がある。