よく聞く歯科用語~あ行~

「あ」

アタッチメント

主に自費診療の金属床義歯に使用される安定装置のこと。非常に多くの種類があり、歯やアゴの症状や状態によって使用できるものは異なる。一般的な金属の部品で固定するタイプをはじめ、磁石で固定するタイプなど、幅広い。

アパタイト

リン酸カルシウムとフッ化カルシウムを混合させた物質で、歯を構成している物質と同じもの。

アパタイトには歯の表面を補修する効果があり、塗布することで肉眼では見えないほど小さいキズをカバーして、虫歯を防ぐことができる。そのため、アパタイトは歯磨き粉をはじめとしたさまざまな歯科用品に活用されている。

アバットメント

インプラント治療時に、インプラント本体と人工歯を連結させるために装着する接続部のこと。使用するインプラントに合わせたさまざまな形状がある。 従来はチタン製のものが主流だったが、現在ではセラミック製のアバットメントも使用されるようになっている。

「い」

入れ歯

虫歯や歯周病、事故などによって失ったり欠けたりした歯を補うための着脱可能な人工歯、もしくは人工歯を入れる治療法。失った歯を部分的に補うものを「部分入れ歯(パーシャルデンチャー)」、すべての歯を補うものを「総入れ歯(フルデンチャー)」と呼ぶ。

入れ歯の素材には保険診療のものと自費診療のものがあり、保険診療の場合はレジン(プラスチック)のみとなっている。

インフォームドコンセント

「説明と合意」を意味する医療の概念で、医師が治療に関する正しい情報を説明し、医師・患者の双方による合意のもとで治療をはじめることを指す。

インフォームドコンセントで医師が伝えるべきことは、治療で起こりうる危険や治療の成功率、治療期間、費用など多岐にわたる。もっとも大切なのは、医師と患者の双方が納得して治療を進められることである。現在ではあらゆる医療分野で重要視される概念となっている。

インプラント

歯を失った部分のアゴの骨に埋め込むチタン製の人工歯根、もしくはその治療法のこと。入れ歯やブリッジと比較して、しっかり固定されることや見た目が自然であることが特徴。歯を1本だけ失った場合からすべての歯を失った場合まで、広く採用することができる。

インレー

歯科治療で用いる「詰めもの」のこと。虫歯治療で削った穴の型を採り、その形状に合わせて作製される。

基本的には金属で作られてセメントで歯に固定するが、前歯など目立つ部分には白いレジン(プラスチック)を用いる。また、自費診療の場合は、見た目がよく強度にも優れたセラミックを使用できる。

「う」

受け口

下の歯列が上の歯列よりも前に突き出している歯並びのこと。「下顎前突(かがくぜんとつ)」とも呼ばれる。出っ歯の逆の状態であり、噛み合わせが悪くなって食事がしづらい他、発音にも問題が生じることが多い。矯正治療によって解決できる。

う歯

虫歯になっている歯のこと。う歯はプラーク(細菌の塊)のなかに存在する虫歯菌が歯を溶かすことから起こる。初期症状では痛みがないため放置しやすく、気づいたときにはかなり進行していることも珍しくない。予防するためには毎日の歯磨きや歯科医院での定期検診が重要になる。

「え」

エナメル質

歯のもっとも外側にある層のこと。歯は「エナメル質」「象牙質」「歯髄」という層から構成されており、エナメル質がもっとも硬い層である。また、虫歯になると最初に溶け始める部分であり、神経が通っていないためエナメル質だけが溶けた段階では痛みがなく虫歯に気づかない人も多い。 最初期の虫歯は適切なセルフケアやフッ素塗布によって回復(再石灰化)することもある。

エムドゲイン

歯の素になる組織の一部である「エナメルマトリックス蛋白」を主成分とした、セメント質再生誘導剤のことを指す。歯周病によって溶かされたアゴの骨の再生治療に使用されている。

「お」

オールセラミック

歯の修復物(詰めもの、被せもの、差し歯)にセラミックを100%使用した素材、もしくはその素材を用いた治療法を指す。金属を使用していないため金属アレルギーの心配がなく、見た目も自然で強度も高いことが特徴。ただし保険は適用されず、自費診療の対象となる。

オッセオインテグレーション

インプラント治療によってアゴの骨にチタンを埋め込んだときに生じる、骨とチタンの結合を指す言葉。「オッセオ(骨の)」「インテグレーション(統合)」を合わせた複合語であり、この現象が発見されたことでインプラント治療は飛躍的に進歩した。

親知らず

正式名称を「下顎第三大臼歯(かがくだいさんだいきゅうし)」「上顎第三大臼歯(じょうがくだいさんだいきゅうし)」といい、「知歯(ちし)」とも呼ばれている。

口腔内で最後に生える歯であり、成人してから生えてくることが多い。生えるときにアゴにスペースが残っていない場合はナナメに生えてくるなど、歯並びを悪化させる原因となる。